耳元でうざったくなるスマホの着信音に起こされた朝の5時。


せっかく寝てたのに…。


隣でスヤスヤ眠る澄音を起こさない様に、ベッドルームを出て電話に出た。


「…もしもし」

『やっと出た‼︎テレビ観たか⁉︎観てないなら早くつけろ‼︎』


すげー慌ててる倉吉の声。


俺も急いでテレビをつけると、ちょうど朝のワイドショー。


〝フルール黒宮海翔‼︎熱愛報道〟


熱愛報道?


ここ最近の俺は入院してて、撮られる様な事なんもしてねぇ…。


『運良い事に写真は出てないが、お前のマンションと病院を行き来してた澄音ちゃんに目付けたみたいだ』

「えっ…。つーことは、澄音が後付けられたって事か?」

『そうゆう事だな…。こりゃ、しばらく騒がれるぞ』

「…分かった。覚悟はしとく」


電話を切り、もう一度テレビを観ると〝今回は本命彼女⁉︎〟なんて見出し。


いつかはバレると思ってたけど……。


とうとう、やられたか〜…。



1人、テレビの前に立ち尽くす朝だった。