慌てて服を着替え、一輝さんに指定された通り入院の準備もした。
無我夢中でマンションのエントランスを出る。
すると、高めの柔らかい声があたしの名前を呼んだ。
「澄音ちゃん‼︎」
「芽依子さん…。芽依子さん、どうしよう‼︎海翔さんが…っ‼︎」
「大丈夫、落ち着いて。病院まで一緒に行こう‼︎ねっ」
芽依子さん運転のピンクの軽自動車に揺られ、夜道を走る。
少し安心したけど……。
マイナスな事しか過ぎらないよ…。
「さっき、一輝から聞いたの。海翔、過労だって」
「過労?働き過ぎって事ですか?」
「そうね〜…。あと、最近家に帰って来てなかったでしょ?一輝もだけど」
「はい…。泊まり掛けで仕事してたみたいで……」
「それで不規則な生活してたのが原因みたいね」
海翔さんは、絶対に仕事に妥協を許さない人だもん。
頑張り過ぎだよ……。
「泣かないの‼︎海翔は大丈夫だから。絶対に」
「…っ、ふぇっ…ごめんなさい…」
「可愛い彼女を泣かすなんて、海翔もダメね〜」
心配で仕方ないよ…。
胸がぎゅっと締め付けられた。

