結果、澄音が選んだのはコテコテの恋愛映画。
貰ってから一回も観たことなかった。
これ結構悲しい話だったんだな〜。
「…っ、うっ…ふぇ…っ」
「泣き過ぎだろ…。ほら、ティッシュ」
「ありがど〜…っ、うぅ〜…‼︎悲しすぎるぅー‼︎」
「俺、色んな意味で悲しみ冷めた…」
ソファーに体育座りで大号泣。
あまりにも可哀想過ぎて、頭撫でてやると涙目で上目遣い…。
この表情、ヤバイ……。
「海翔さん…。涙止まんない…」
「キスしてやろっか?」
「ほんとにしてくれるの?」
本気の眼差しで見詰められて、一瞬ドキッとした。
バカみたい……。
「…しねぇよ。俺の好みは、巨乳なお姉さんなんで」
「あたしが巨乳なお姉さんになったら?」
「バカなこと言ってる暇あったら、コーヒーでも淹れて来い」
「…はーい」
別に今コーヒーなんて飲みたくない。
澄音に調子狂わされて溜まるか……。
こんなガキ相手にさ。

