数秒の沈黙の後、海翔さんは「あっ‼︎」と声を出した。


「こうゆう時のアイツだよ‼︎」

「アイツ…?」

「澄音、明日まで待ってくれな。明日連れて来るから」


アイツって、誰⁉︎


何度聞いても教えてくれなかった…。



翌日、約束通り仕事終わりの夜に海翔さんが連れて来てくれたのは………


フルールマネジャーの倉吉さん‼︎


保護者代わりには最適だよ‼︎


「なんで俺が呼ばれてんだよ…」

「倉吉。コイツの保護者やってくれ。三者面談行ってやって。頼む‼︎」

「はぁ⁉︎俺が澄音ちゃんの保護者代わり⁉︎」

「お願いします‼︎倉吉さん‼︎」


困った顔でリビングの床に座り、カチッとタバコに火を付けた。


「倉吉〜‼︎頼むって‼︎俺の可愛い彼女のお願い‼︎」

「つーか、三者面談って何話すんだ?」

「進路の事です‼︎3年生なので……」

「めちゃくちゃ重要じゃねぇか‼︎ったく、仕方ねぇな〜…。いつ行けば良い?」


苦笑気味に灰皿にタバコを押し付けた。


倉吉さん……優しい〜‼︎


「ありがとうございます‼︎」


海翔さんも、ありがとう‼︎