【海翔side】
毎晩どんなに疲れて帰っても、テーブルに用意されてるメシ。
案外、居候の澄音の存在って有難いのかも……。
なんて思っちゃってる俺。
そんな澄音は最近、暇さえあればリビングのスピーカーで俺らの曲聴いてる。
可愛いヤツめ。
「学校の友達がフルール大好きなの‼︎」
「お前は好きじゃねーの?俺、ショック〜」
「ええっ⁉︎すっ、好き‼︎普通に好きだから‼︎大丈夫‼︎」
「ははっ‼︎嘘だよ、バーカ」
「最低‼︎」
困った顔でふいっと顔を逸らされた。
イジメてやるの、けっこー好き。
………いや、こんなガキ相手に悪趣味なのかな…。
「あ、ねぇ海翔さん‼︎」
「ん?どした?」
「フルールの愛斗さんってどんな人?友達が好きーって騒いでたから」
「アイツはやめとけ…。しかも、女子高生には勧めねぇ……」
遊ばれる女の子の1人にされちゃうぞ。
幼い顔で純粋に聞いて来る澄音には言えないけど……。

