ザーッと雨が降りしきる中。
龍也にお礼を伝えて、駅の改札を通ろうとした時にバッと手首を掴まれた。
背の高い龍也を見上げると、いつも以上に真剣な眼差しで……。
「澄音…」
「なに?」
「俺……やっぱ、お前のこと好きだ。何回も諦め様としたけど無理。好きなんだよ…」
「りゅ、龍也⁉︎」
背中に回った腕で、ぎゅっと抱き寄せられた。
あたしの肩に龍也の頭がコテッと乗っかる。
「お前の彼氏になりてぇ…」
「ありがとう…。嬉しいけど、ごめんね…」
「俺のこと好きじゃなくて良い。振り向かせるし…寂しい思いもさせない」
「龍也。ごめん。あたしが好きなのは、今の彼氏だけなの…」
あたしは龍也の体からそっと離れた。
龍也の気持ちはすごく嬉しいよ。
でも………ダメなの。
どんなに寂しい思いをしても、あたしには海翔さんしかいないから。
「あー……。そうだよなぁ…。お前、一途だもんな…」
「ちょっと龍也…」
しゃがみ込んで空を仰ぐ。
咄嗟にあたしも、龍也の隣にしゃがみ込んだ。

