余裕の無い表情に、途切れ途切れの声と息。
そっと頬を指で撫でれば、絡まる視線と再度重なる唇。
「海翔さん…っ」
「…ん?何?」
「大好きです…。1番大好き…」
誕生日に乗じて、今なら素直に伝えられる気がする。
俺の中に閉じ込めたいぐらい………
「愛してる…」
「嬉しい…。泣きそう…」
一筋の涙を流したアイツを抱きしめた。
ありがとうと愛してるの気持ちを込めて。
まだ室内が薄暗い明け方。
澄音を抱きしめたまま眠っていた俺は、腕の痺れですら愛しく感じる。
相当惚れてんのかも……。
「ん〜……。海翔、さん…もう起きたの…?」
「いや、まだ寝るよ。澄音と」
「ふふっ…。良かったぁ〜……」
ゴロッと寝返りを打つ姿も可愛くてさ。
あどけない自由な子供っぽい寝顔に、少しおかしくなる。
ふわりと笑う澄音に、もう一度キスをした。
改めて、俺の彼女になってくれてありがとう。
澄音が側にいてくれれば、それだけで俺は幸せだ。

