今週の金曜日。
俺の誕生日は、マネージャー倉吉に頼んで全休にしてもらった。
ワールドツアー前に、澄音とゆっくり出来るのは多分これが最後だから。
前日の木曜日の夜中に帰宅。
スヤスヤ眠る澄音の寝顔を眺めてから、俺も眠りにつく。
誕生日当日の朝は昼少し前に、澄音が起こしに来た。
「海翔さーん‼︎朝だよー‼︎起きてー‼︎」
「ん〜……って、お前乗っかるんじゃねーよ…」
「重たい方が起きるでしょ〜?」
「だからって馬乗り…」
俺に跨って超笑顔。
くっついてくれんのは最高だけどね。
「ふふっ‼︎海翔さん‼︎お誕生日、おめでとー‼︎」
「ぐぇっ‼︎ちょっ、この状態から抱きつくか⁉︎普通⁉︎」
「うん‼︎だって、今日はくっつき放題だもん‼︎」
もう、布団も俺もぐちゃぐちゃ。
首にぎゅっと抱きついてくる澄音の華奢な背中に腕を回すだけ。
「今日は海翔さんのお願い事なんでも聞いてあげます‼︎」
「ははっ‼︎マジで?ありがとな〜」
「その代わり、あまり際どいお願いは聞けません」
言われると思ってた…それ。

