俺は今から夢を掴みに行く。
その代わり………
「海翔さん‼︎おかえり‼︎今日も、お仕事お疲れ様‼︎」
「ありがと。ただいま〜」
いつも屈託の無い笑顔を見せてくれる澄音を放置しちまうけど……。
嫌な顔ひとつせずに、ワールドツアーに賛成してくれた。
夕食後、何気無く2人でテレビを観てる時。
俺の腕に抱きつく澄音に聞いてみた。
「俺、しばらく側にいてやれねぇけど…寂しくねぇか?」
「あはは‼︎寂しいに決まってるでしょ〜」
「マジ⁉︎やっぱ、そうだよな…」
「でもね。あたし、歌ってる海翔さんが大好きなの。だから、全力で歌を届けて来て‼︎」
全力で頑張ろうと思えた。
そして、澄音の気持ちが何よりも俺は嬉しい。
「あっ‼︎アメリカで金髪巨乳美女と浮気したら別れるから‼︎」
「浮気なんてしねーよ‼︎澄音がいれば十分だ」
「甘いこと言ってくれた……」
「いつでも言ってやるよ。これぐらい」
柔らかい黒髪を撫でると、恥ずかしそうに俯く。
俺の澄音が一番可愛い………。

