居候の身でありながら、海翔さんにドキドキしてるあたし。
数日後、学校から帰宅すると私服姿でいる海翔さん。
朝から家にいたから、これからお仕事か。
「あ、おかえり。ちょうど入れ違いだな」
「ただいまです。そして、行ってらっしゃい‼︎」
「まだ行けねぇんだよ。時計無くして探してんの」
「あ、それなら洗面台のとこに置いてあった‼︎」
「マジ⁉︎うわ〜…帰って来てそのまんま置きっぱにしたな…」
絶対に高級な腕時計。
洗面台に行き、そっと取って海翔さんに渡した。
「澄音ナイス‼︎ありがと」
「いいえ。お仕事頑張って‼︎」
「なんだろ…。こう、制服姿で言われるとグッと…なんかクるよな…」
「はい⁉︎変態発言しないで、早く出てけー‼︎」
「立場逆だろ⁉︎この、居候女‼︎」
変態発言されたのに、反論出来ない歯痒さね……。
不貞腐れつつ、玄関まで海翔さんを見送りに行く。

