なんとか落ち着いたその後。
あたしはキッチンで夕食の準備をしながら、ソファーに座る海翔さんの背中に話し掛けた。
「ねぇ、海翔さん‼︎もうすぐ誕生日だよね?」
「あ〜……そうだったな‼︎」
「誕生日プレゼント何か欲しいモノある?」
「…一日中俺の側にいてほしい、かな。ダメか?」
振り向いて、あたしを見詰める。
だけど、海翔さんの表情が少し曇ってる様に見えた。
「あのさ、澄音…」
「なっ、何?」
無性に心臓がドキドキ高鳴る。
そんな顔するなんて、嫌な話しか想像出来ないよ……。
「しばらく遠距離になる」
「へっ?遠距離?どうして…」
「実は来月から、海外ツアー始まるんだよ。言えなくてごめん…」
「そ、そうなんだ…。でも、すごいじゃん‼︎おめでとう‼︎」
嬉しいのに……。
ちょっと寂しい。
すると海翔さんは立ち上がり、あたしを後ろから抱きしめた。
「寂しい思いばっかさせて悪い…。だけど、俺は海外でも試してぇから……」
「大丈夫‼︎あたし待ってる‼︎」
そんな顔しないで?
あたしはずっと応援してるもん‼︎

