柔らかそうな少し遊ばせた茶髪に、女のあたしが負けそうな程キレイな肌。
二重でスッキリとした目元。
筋の通った高い鼻。
この人めっちゃカッコイイ……。
「…好き、かも」
「は?」
「えっ‼︎あ、いや…なんでもないですけど…。で‼︎お兄さん、拾ってくれんの?」
「そうだなぁ〜…。嫌いじゃねぇ。その話、乗った」
男の人らしい骨っぽく長い指で、ツーっとあたしの頬を撫でる。
すっごいドキドキするよ‼︎
そして、あたしの手を掴み立たせてくれた。
「どこ行きたい?」
「どこでも良い。あたしが自由になれる場所ならどこでも」
「ふーん。変わったヤツ」
「お兄さんもね」
「否定はしねぇかな」
黒塗りの俗に言う高級車の助手席。
新車っぽい匂いがする〜‼︎
ネオンが輝く夜の街を車が走ること数分。
予想通りホテルの駐車場に入った。
数ある部屋の中から、テキトーに部屋を決めたであろうお兄さんの背中に着いて行く。
大人の恋の始まりだ。