【澄音side】
リビングの真っ白のソファーに胡座をかき、アコースティックギターを弾く海翔さん。
しかも、朝7時から。
海翔さんは、理由も聞かずに居候させてくれる不思議で優しい人。
制服のネクタイを結びながら、ギターを弾く真剣な横顔に見入ってしまう…。
カッコイイ、よね……。
すると、突然ギターの音が途切れた。
「見過ぎだバーカ。惚れたか、ガキ‼︎」
「誰が惚れるかっ‼︎海翔さんは一言余計なんです‼︎」
「可愛くねぇな〜。つーか、スカート短過ぎね?パンツ見えそー」
「変態‼︎だから、彼女出来ないんですぅ〜‼︎」
「はぁ⁉︎お前こそ一言余計だチビ‼︎」
いや、160cmのあたしにチビは無理あるって。
なんて、海翔さんと口喧嘩しながら学校に行くのも日課。
「あ、澄音。今日帰れねぇからメシいらねー」
「分かった……」
「んな顔すんな。明日の夕方には帰るし。ほら、澄音笑ったー‼︎」
超笑顔の海翔さんに頬をむにっと摘ままれる。
あたし、海翔さんに〝澄音〟って名前呼ばれるの好きだ……。