あれだけ余裕な顔してた澄音なのに、今は俺の隣で涙目。
繋いでる手、震えてますけど…。
「こ、怖かったぁ〜……」
「大丈夫かー?はい、飲み物」
「ありがと〜…。あたし、絶叫系苦手かも〜‼︎海翔さんは好き?」
「まぁ、普通に好き」
「あたしも好きになりたいー‼︎」
合わせてくれるのは嬉しいけど、無理すんなよ…。
即復活した澄音が次に向かったのは、お化け屋敷。
「ここ、友達が行ってめっちゃ怖かったって言ってた‼︎」
「やめとくべ……」
「あっ‼︎まさか…海翔さん、ホラー系苦手⁉︎」
「はぁ⁉︎苦手じゃねーし‼︎澄音が泣くんじゃねーの?」
「泣かないしー‼︎ほら、入ろう‼︎」
正直に言うと切実に嫌だ‼︎
お化け屋敷って予測不可能なとこから驚かしに来るじゃんか…。
「あはっ‼︎真っ暗〜‼︎怖いー‼︎」
「お前、先進めよ‼︎譲ってやる‼︎」
「え、良いの⁉︎ありがとう♪」
怖いって言葉と裏腹に、すげー笑顔だし‼︎
懐中電灯片手に、どんどん進む澄音の手をガッチリ握る俺。
情けないっス………。

