夜9時。
上家怜香指名のホテルに単身、車で向かった。
ちなみに、ホテルに数室しかないスイートルームで。
嫌な予感しかねぇ……。
数回ノックすると高い声とともに、ドアを開けたアイツ。
チビで童顔な、なんちゃって清純系女優。
「ふふっ‼︎待ってた‼︎入って?」
「ん。…よくそんな平然としてられんな?」
「だって嬉しいんだもん♪」
「はぁ…?」
ニコッと笑って部屋のど真ん中のソファーに座った。
そして、上目遣いで俺を見上げる。
「だって〜…超人気でイケメンの海翔と熱愛報道だよ?」
「今更、売名行為する必要もなくねーか?お前、そこそこ人気なんだし」
「違うよー‼︎あたし……熱愛報道、否定してないからね」
「マジで?」
「マジだよ。好きなんだもん。海翔のことが」
まぁ……薄々は気付いてたけど。
実際、コクられると俺も焦る。
だけど、最初から俺の答えなんて決まってんだ。
「ごめん。大切なヤツ…いるんだ。俺の大好きな人。だから……ごめん」
この際、世間にバレても良い。
俺には澄音しかいねぇから。

