集合時間に30分遅れで到着したのが、滝島愛斗(タキシマ マナト)。
コイツも同い年だけど、嶺と同じく中学からの付き合いでベース担当。
長所は人懐こくて甘え上手。
その反面、可愛い女の子が大好きで仕方ないヤツ。
ふわふわした金髪で前髪をピンで留めて悪気ナシでスタジオ入り。
「ごめーん‼︎お姉ちゃん達に洗濯押し付けられちゃって〜♪」
「あ?嘘つくな…。女のとこにいただろ?答えは二択だ…」
「いっ、イエス‼︎痛いって‼︎一輝痛いぃぃぃ‼︎」
リーダーの一輝にいつもシメられる。
愛斗も学習しないバカ……。
「海翔‼︎俺、愛斗シメるからウチの猫起こしてくんね〜?」
「了解」
毛布を思いっ切り剥がしてやると、ぎゅっと目を瞑る。
寝た振りか、コラ‼︎
「嶺‼︎リハすっから起きろ‼︎」
「ん〜…海翔ヤダ…。声デカい…」
「文句言うなら自分で起きろよ。はい、起きたー」
「眠い……」
この無気力猫め‼︎
やっと全員揃って始めるリハーサル。
明日は生放送だから失敗厳禁だ。
ボーカルの俺は歌詞も念入りにチェックする。

