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放課後、悠太を呼び出して屋上に行った。

「珍しいな、屋上行きたいなんて言わないだろ?」

「人がいないところここしかないから...」

「なにかあった?」

「...別れよ、悠太。なんだか付き合うことに疲れたの」

「は?嫌だよ。別れねぇよ」

悠太はどんどん詰め寄ってきた。1歩また1歩と...。

「昨日あんなに幸せそうだったじゃねぇかよ!!!!嫌なところがあるなら直すから疲れたとか言うなよ!」

苦しそうな辛そうな顔見てられない。

「顔背けんな!!ちゃんと目を見て言えよ!」

「あたしは...悠太と...わかれ...たい」

「嘘つくなよ。そう思ってるなら...なんで泣いてんだよ」

「え?」

そっと私の頬に手を添える悠太。あぁ、涙出てたんだ。

「心、あのな俺はお前と別れたくないんだよ。お前がそれを本心で言ってないことも分かってる」

ああ、そんな優しいこと言わないで

「なにかそう言わないといけない原因があるんだなろ?」

やめて!

「なにがあってもそばにいるから」

やめて!!

「別れるとか言うな」

やめて!!!

「あたしはこれ以上ここにいちゃダメなの」

「いていいんだよ!」

「ダメなの!!あたしだって悠太と別れたくないわよ!でも...でも...」

「あたしなんかと付き合うと悠太に迷惑かかる」

「そんなことないだろ」

「あるの!あたし…は、養子なの。パパもママも本当の親じゃないの」

「えっ……。それ、昨日聞いたのか?」

「うん…」

「本当の両親は、パパはあたしがお腹にいる時に逃げたって。ママは体が弱くてあたしを産んで数日後に死んじゃったって」

それから、悠太の反応はなかった。
ただ抱きしめる力が強くなった。

「今のパパとママは産んでくれたママの大切な友達で、今の2人がこうして暮らせてるのも産んでくれたママのお陰だって」

その後はパパとママが話してくれた事を話した。

いつの間にが日が暮れていて、最終下校の時間になっていた。

「今日どうするんだ?」

「帰りたくない」

「なら、俺ん家に泊まるか?」

「いいの?」

「いいだろ。母さんに言ってるし」

悠太がお母さんに言ってくれてた。

その間にスマホを見たらパパ達からメールが100件ぐらい入ってた。朝から見てなかったからなぁ。

『今どこ?心配してます』

とか、本当は心配してないよね……

何も返さずに置いた。

突然あたしのスマホがなった。
驚いて画面を見るとそこには友達の『奈々』だった。


『もしもし?』

『心!?今どこ?ここママ達が心配してるよ』

『今、悠太の家だよ』

『ここママからさっき電話があったよ』

『そうなの!?あっ……さっきまでスマホ見てなかったから』

『でも、良かった。無事だったんだね』

『うん、ありがとう。明日ね』

奈々とは中学の時からずっと友達。
でも、奈々にまだ言えてない。

少し経ってから悠太が帰ってきた。

「今、母さんがママさん達に電話してる」

「そっか、ありがとう」

「落ち着くまでうちにいれば?」

それから、2人で学校の宿題をした。

終わってまったりしてると悠太のお母さんが
きた。

「2人ともご飯出来たよ〜。心ちゃんのママもお泊まりいいって言ったよ」

「ありがとうございます」