無言のまま、珠喜は貞臣を見据えた。 「偉くなったものだね、珠喜」 「消えて。貴女の顔を見ていると虫酸が走るのよ」 「──言われなくとも」 吐き捨てるようにそう呟き、貞臣は廊下の奥へ消えて行った。 珠喜の心に波紋が広がる。 貞臣のあの言葉が真実だとしたら。あげはは弄ばれた上に、また籠の鳥になるのだ。