あげはという存在は、珠喜にとっての宝物だった。 それを傷つけられるくらいなら、廓の折檻でも何でも耐えられる。 「お黙り!もう決まった事なんだ!お前がどんなに喚こうがあげはは見世出しするんだよ!!」 女将は灰の溜まった煙管(きせる)を珠喜の白い腕に押し付けた。 「きゃあぁあぁ!!」 ジュッと焦げた音がし、珠喜は熱さと痛みに涙を滲ませた。 女将は冷たい視線を珠喜に向けて言い放つ。 「お行き。楼主はあんたの意見は聞かないよ。後は折檻が待ってるだけだ」