籠姫奇譚


短いため息をついた後、珠喜は明るい声で提案した。


「そうだわ。あげは、体洗ってあげる」


「──え?」


「遠慮しないで。昨日は心配かけたんだもの」


恥ずかしそうに頬を赤らめながら、あげはは小さく頷いた。


「こっちへおいで」


手招きすると、彼女はおずおずと珠喜の前に腰を下ろした。