ぼんやりと射し込む月明かりが、蒼白く肌を晒した。 力尽き、隣でこうこうと寝息を立てる男を見つめては、自分に嫌気がさす。 ──惨めだ。 恋い焦がれた男性(ひと)の名を、堂々と叫べないのは、本当に惨めだ。 身体を丸め、逃げていく体温を繋ぎ止めようとする。 それがひどく汚らわしい行為に感じられて、珠喜は再び目を閉じた。