籠姫奇譚


言っても良いのだろうか。

打ち明けたい。でも、知られて軽蔑されるのが……怖い。

瑪瑙に嫌われることだけは、耐えられない。


「私は……瑪瑙さんに嫌われたくない。怖いんです」


「蝶子ちゃん……」


涙を流して訴える蝶子を、瑪瑙は反射的に抱き締めていた。


「大丈夫だよ。……嫌ったりなんか、絶対にしないから」


「瑪瑙さん……」


温度を感じる。

温かくて、安心する──…