遙は時々冷めた目をする。 それも、ぞっとする様な冷たい目。 芸術家には変った者が多いと聞いた。彼も例外ではないのだろうか。 実際、瑪瑙と蝶子が出会った日から遙の態度は少しづつ変ってきている。 あれ以来、彼はよく天道寺邸に来ては遙と話し込んでいた。 だが蝶子は、彼とは会わないように自室に戻っていた。 会えば、今度こそ何かが変わってしまうような気がして。