フィンセはナンバー1

ギブスがとれた頃、また、学校での撮影の話が舞い降りてきた。

 今度は、りく君のモデルの撮影らしい。

 裏庭なら、景色も綺麗だし撮影するにはぴったりだ。


「明日は学校も休みだし、見に行くでしょ?」

 未来に聞かれて、

「う、うんー」

 あたしは、気の乗らない返事をした。

「どうしたの?気のない返事してー。りくが転入して来る前は、あんなにキャーキャー騒いでいたのに」

 未来は、驚いた顔であたしを見た。

「やだなー。そんなに、騒いでないって」

 あたしは、苦笑いしながら、未来を見た。


 未来にはそう言ったけど、確かに、騒いでたかもー。


「琴音ー。明日、一緒に見に行くんだよな」

 あたし達の話を聞いていたのか、直也君が口を挟んできた。
「そうなんだー」

 未来は、にやにやしながら、あたしを見た。

「琴音、明日の時間のことだけどー」

 直也君は、あたしを席から立たせると、廊下の外へ連れ出した。

 誰もいない視聴覚室に行くと、直也君はボソッと呟いた。

「明日、行くなよー」

「え……?直也君も一緒に行くんじゃー」

「琴音が困っているみたいだったから、さっきは、ああ言っただけだ」