嬉しそうな顔で言った。
「社長さんは、良い人だったけど、婚約だなんて認めたわけじゃないんだからね!」
あたしは、ムスッとした顔で言う。
「まあまあ。今すぐって、わけじゃないんだし」
お父さんは、笑いながらそう言った。
それから、一週間、経ってからのことだったー。
「琴音。悪いんだけど、三浦さんの家に届け物頼まれてくれる?」
お母さんが、紙袋を、あたしの前に置いた。
「何で、あたしが……」
あたしは、ぶつぶつ文句を言う。
「お父さんに頼まれていたの、忘れていたのよー。文句言わずに、お願いね」
お母さんに急かされて、仕方なく、届けることにー。
「はあー」
目的地に着いたものの、豪邸を目の前にすると、緊張してインターホンを鳴らす勇気が出ないでいた。
門の前でうろうろしていると、帽子をかぶり、メガネをかけた男の子が近づいてきた。
怪しい人だって思われたかなー?
「あの……。あたし、怪しいとかじゃなくて、ここの家に用があってー」
あたしは、慌てて説明した。
でも、ちょっと待って……。この人、何処かで見たことがあるようなー。
男の子は、あたし
「社長さんは、良い人だったけど、婚約だなんて認めたわけじゃないんだからね!」
あたしは、ムスッとした顔で言う。
「まあまあ。今すぐって、わけじゃないんだし」
お父さんは、笑いながらそう言った。
それから、一週間、経ってからのことだったー。
「琴音。悪いんだけど、三浦さんの家に届け物頼まれてくれる?」
お母さんが、紙袋を、あたしの前に置いた。
「何で、あたしが……」
あたしは、ぶつぶつ文句を言う。
「お父さんに頼まれていたの、忘れていたのよー。文句言わずに、お願いね」
お母さんに急かされて、仕方なく、届けることにー。
「はあー」
目的地に着いたものの、豪邸を目の前にすると、緊張してインターホンを鳴らす勇気が出ないでいた。
門の前でうろうろしていると、帽子をかぶり、メガネをかけた男の子が近づいてきた。
怪しい人だって思われたかなー?
「あの……。あたし、怪しいとかじゃなくて、ここの家に用があってー」
あたしは、慌てて説明した。
でも、ちょっと待って……。この人、何処かで見たことがあるようなー。
男の子は、あたし
