フィンセはナンバー1

「行ってきなよ」

 未来が、にやにやしながら言った。

「う、うんー」

 あたしは、ぎこちない顔で、南君について行った。


 あたしと南君は、屋上へ向かった。

 屋上へ行くと、フェンスに寄りかかりながら、台本を読んでいるりく君がいた。

「南君……。向こうで、食べよう」

 あたしは、りく君がいる反対側を指差した。

 校舎裏で会った以来、りく君に避けられている。

 仕方ないよね……。りく君と話すことなくなっちゃったしー。


 あたしの心臓が、ギュッと締め付けられる。

 あたしは、後ろ髪を引かれる思いで、反対方向へ歩いて行こうとした。

 でも、りく君の方へ歩いて行く南君を見て、あたしは驚いて、慌てて南君に駆け寄った。

「りく先輩!ちょっと、話があるんですけど」

 南君は、りく君に声をかけた。

「何かな?」

 りく君は、台本に目を通しながら言った。

「坂口さんのこと、どう思っていますか?」

「み、南君!?」

 急に南君が、りく君に単刀直入に聞いたので、あたしは慌ててしまった。

「どう思ってるって?」

 りく君が、南君へ目を向けた。

「坂口さんのこと、好きかってことです」