「相変わらずだな、あの人も」


あの人って、もうすぐ僕らの王様になるのに。


王様、なんて響きがよすぎるか…。

僕らは高校を卒業したら、すぐ組に入らなければいけない。


リカちゃんと一緒にいる為の条件だからね。

それに、旦那様は別に組に入らなくてもいいって言ってたけど、僕らがリカちゃんと居たくて我儘言ってんだし、それは守るつもりだ。


「そんなもんでしょ。

私はどうせ代わりなんだし」


リカちゃんは髪先をクルクルと指に絡めている。