「心は全部置いてきたから」 サーっとリカの髪がなびいて、まるで俺の考え何て知っているようで。 怖くて、怖くてどうしようもない。 気をぬけば間違いなく飲み込まれる。 「リカ…」 彼女はクルリと俺に背を向けてベランダを後にする。 止めても彼女は意味がない。 俺達は別の道でしか交わることができない。 同じ道だと呆気なく崩れてしまう。 どうしたらいいんだよ、んなもんを…。