フッと奏は俺を馬鹿にしたように笑う。 綺麗に引かれた境界線は『これ以上先には入れない』ということを物語っている。 「そうね… 何があってもあなた達は私達の領域にいれない」 彼女はその後にポツリと「巻き込みたくないから」と言った。 奏はその後に「そうだね」と希望のない目をしていった。 『今宵は月が泣いている』 リカはそう言って涙を零したことを俺は知らない。