「そうそう」 ダルそうに返事するまさきだが、私にはそんな反応でも嬉しかった。 「なぁ、梨花の家ってどこなんだよ。 わかんなきゃ行けねぇんだけど」 まさきが渡してきたヘルメットを被って質問に答える。 「えっとね、西町の赤橋で降ろしてくれればいいよ」 「赤橋ってお前すごいとこに住んでんだな」 うん、そうだよ。 私の家は組だからね。 なんて口が裂けても言えないけど。 「赤橋なんて物騒だから家まで行くわ」