綾斗さんは私を丸くした目で見てくる。 え、なに? 「もう、家に帰らせろよ綾斗。 誘拐で掴まんぞ?」 部屋に入って来た男の人が私の腕を掴んで立たせる。 「それはさすがに無理だわ。 勝、送っていってあげてよ、俺今日追試だから勉強しないと♪」 「相変わらずバカだよなお前。 ほら行くぞ」 突然部屋に入ってきた男は、ずるずると私を引きずりながら歩く。 「離してくれますか? 私は1人で歩けるから、子供扱いしないで!」 「猫かよお前は」