『ふざけてんじゃねぇぞ! ずっと騙してたのかよっ⁉︎』 マオくんの怒りに混じった声は部屋に響いた。 『騙してなんかいないよ。 勝手に決め付けたのは君たちだろ?』 『さーて、ここら辺で帰ろうかな?』 クルッと向きを変えて僕たちを見ずに歩く。 『綾斗さんだけは… 救ってくれるって信じてたのに。 お願い、1人にして…』 記憶の扉は閉まっていった。 滑稽で崩れそうな場所に封印されたかのように。