「お母さん、お母さん…!」


「ねぇ、起きてよ、ねぇ!」


2人の声が病室に響く。


冬真っ盛りな2月に母さんは死んでしまった。


俺は中3、双子は小4だった。


原因はガンで、治療費は父さんが毎月くれるお金よりもはるかに倍だった。


2000万というまだ学生の俺たちには到底お目にかかることはないほどの金額。


母さんが貯めに貯めた貯金では足りない値段だ。


母さんは自分の事でお金は使うなと言っていたが俺にはそんな言葉は無意味で払えるだけのお金を注ぎ込み治療に徹して貰った。