「前髪切ってくれたらもっと嬉しかったのにな」 たしかに、僕の前髪は長くて鼻あたりまである。 たぶん高校の人は僕の顔をまともに見たことはないだろう。 それは桜田も同じ。 前髪を切ると他の人からの視線が気になってしょうがなくって、ずっと伸ばしたままだった。 「桜田は僕の顔見たい?」 「うん。でもいいよ。切らなくても」