「まあ、そうだけど。桜田は気まぐれだから僕にだってよくわからないよ...」







桜田は気まぐれで本当に僕だってよくわからない。






「そんなぁ...」





あからさまにガッカリされても僕にはどうすることもできないんだ。







「桜田と仲良くしたいなら自分で話しかけてみたらどうかな」







「で、でも、谷さんとか怖いし..」





たしかに。





「ごめん。村田、僕にはやっぱりどうすることもできないよ。実際自分になぜ桜田が話しかけてくれるのかも不思議なんだ」







正直に話すと村田が泣きそうな顔になる。





さすがにこれくらいでは泣くわけないよな。






「や、やっと...スミレちゃんに近づけると思ったのに...」






さっきのアニメキャラか。





僕はそんなにアニメ知らないから村田には共感できない。





そしてまた独り言が始まったので今度こそ僕は逃げ出した。






「もうホームルーム始まるから行くね。じゃ」