正義感などからではない。


ただ、自分がやりたいと思ったから行動した。








これが、感情任せに動く柳沢の特徴だった。








新しい職も探さずにクビになったはずの刑事ごっこをしている柳沢を妻は何度も説得してきた。





が、辞める気などない柳沢に呆れ離婚届けにサインを求められた。


それを仕方がないと柳沢もそれに応じ今では独身職なしの底辺人間だ。







現場につくとすでに野次馬が集まっておりそこに柳沢も紛れ込む。






「ひき逃げらしいわよ…」



「怖いわねぇ。」



「脳みそ吹っ飛んだらしいぜ〜」



「うわっ。グロ!」






すぐにいろんな言葉を耳にする。




立ち入り禁止のテープが貼られ、ブルーシートで覆われているため見えないがおそらく即死だろう。