ぬるっとした暖かい感触が手のひら全体に広がる。




「桜田っ!目を開けて!!桜田!!」




からんと、音がして顔をあげると美穂が手に持っていたナイフを床に落としたところだった。




そのナイフも赤く染まっている。




「あはっ...長野を殺ろうとしたのに...間違えて、涼子を刺しちゃった...あは。どうしよ....あはは」




完全に目がどこかに飛んでいた。




「貴様ああああ!!!!!」




すぐに柳沢さんが美穂を取り押さえた。




「原田!気合で起きろ!早く救急よべ!!おい!涼子ぜったい死ぬんじゃねえぞ!罪償うんだろ!ちゃんと目え開けとけ!!!」