「桜田はどうしていつもここにいるの?」





彼女ほどの人気のある人間ならみんなが、誘うはずだから…






「なんでだと思う?」





フェンスから校庭を見下ろす桜田。


今日はあの3人組もいないし村田もいじめられてない。






「みんなのこと好きじゃない…とか?」



「半分は当たりかな。」





人気者の桜田からは意外な答えだろうが僕はなんとなくそう返ってくるとわかっていた。





「もう半分は?」





気になって聞くと、いつもの笑みで「秘密」と言われてしまってそれ以上踏み込まなかった。






心地よい沈黙がまた降りる。





「長野くん。死にたいって思ったことある?」




「……あるよ。何度も」




「ふーん」