そして、僕はノートを受けとった。





中身を読む。







何分たっただろうか。






「...なんてことだ」






読み終わったころには、僕は両目から涙を流した。





桜田...。




つらかったよね。




桜田...。



なんでいつも桜田が微笑をたたえているのか、なんとなくわかった気がした。




つらかったから。







ちゃりっ






薔薇のブレスレットが僕の手首でゆれた。






”自殺しないお守りだよ”




あのとき、彼女はどんな思いで言葉を発したのか想像するだけでますます涙がでた。





原田さんが無言で僕にハンカチを差し出してくれた。







僕はそれを受け取り、しばらく泣き続けた。