すると、原田と呼ばれた大学生が『はーい。先輩』と言って説明し始めた。




「まず、君はＳ高等学校に通う三年生。長野智也くん。であってるね？」





「は、はい」




「じゃ、次はこっちの自己紹介。僕は原田真人で。こっちが...」




「柳沢信弘だ。」




は、はあ。




原田と名乗った人が、よしっと言ってあるノートを取り出した。




古いノートだ。




それを柳沢が受け取る。





「何点か聞きたいことがある。いいな？原田、メモれ。」





柳沢に言われ、こっくり僕はうなずく。無意識にごくっと喉がなった。




「まず、冬樹という言葉に覚えは？」




「冬樹...。えっと、僕の兄の名前？」