恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

暑いのに、吹く風は爽やかで。


降り注ぐ強烈な陽射しを跳ね返して輝く、白い砂浜。


透明なのに青い、クリアブルー色の水。


それは与那星浜の写真だった。


写真とはいえ、懐かしい風景に思わず笑みがこぼれた。


「懐かしい……」


相変わらず綺麗。


片隅にあのガジュマルの木が写り込んでいた。


「すごいね」


堀北さんが言った。


「写真を見た時、日本とは思えなかったよ。須藤はこんなに綺麗なところで高校時代を過ごしたんだろ?」


「はい」


「うらやましいよ」


まったく。


行くなら教えてくれてもいいのに。


あたしの過去を知っている手前、言い出せなかったのかもしれないけど。


でも、やっぱり潤一らしいなと思う。


「本当に自由気ままな人だよな、榎本先輩は。先輩の腹をくくらせた須藤はすごいね」


「あたしですか?」


「だって、プロポーズされたんだろ?」


書いてあったけど、と堀北さんが便箋を差し出してきた。


受け取り、開いてみる。