恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

蛍みたいに淡く発光するちゅら玉ストラップのこと。


タイムカプセルのこと。


「あたしね、本当に好きだったんだ。大好きだった」


「カイト?」


「うん。一緒にいるだけで、それだけで心がきれいになっていった。すごくすごく、好きだった。海斗のこと」


失われた記憶のことも。


そして、海の色のことも。


全部。


「本当にびっくりするくらい何もないけど、すごく綺麗な島なんだよ」


「そうなんだ」


「うん。あたし、島中の風景がたまらなく大好きだった」


潤一に過去を全て包み隠さず打ち明けたのは、たぶん、あたしの中で確かな変化があったからだったのだと思う。


「見てみたいな」


「与那星の海?」


「そう。何だっけ……陽妃がさっき言ってた色」

「クリアブルー?」


「そう、それ。クリアブルー色の海」


ああ。


あたしはきっと、これからはこの人の帰りを待つことになるんだろうなあ。


それで、これから先はこの人と一緒なんだろうなあ。


潤一の腕の中でそんなことを思った。


このひだまりのようなぬくもりを感じながら生きて行くことになるんじゃないかなあ。


なんて。