「これでよし! んだってさ、外はすんげぇ雪だよ? めずらしいべ、11月にこんな……まるで」
天使の羽根みたいな雪。
そう言って、窓の外に視線を流してふふと嬉しそうに笑った。
「陽妃ちゃん、長かったねえ」
なぜなのかはわからない。
涙がこんこんと目の奥から奥からあふれてあふれて、宏子さんの優しい微笑みがじんわりと歪んだ。
鼻のいっちばん奥がつーんと沁みる。
「よく頑張りました。金メダルっしょ」
さぁ、行っといで、そう言って、あたしの背中を押した宏子さんの手はホッカイロのようにぬくぬくしていて、なんだか言葉にできないくらい胸がいっぱいになる。
あたしはごくりと涙を飲み込んで、小さくうなずいた。
「……ん、はい」
あたしは便箋を四つ折りにして、コートの右ポケットにしっかりとつっこんだ。
「宏子さん、親方……あのっ、行って来ます。ありがとう」
ふたりに一礼し背を向けると、宏子さんが「待って」と今一度マフラーを襟足のところでしっかりと結び直し、
「陽妃ちゃん」
そのひと言を、まるで宝物に触れるような優しい、でも、壊れ物に慎重に触れるような緊張しているような声で、大切そうに言った。
「カフー、アラシミソーリ」
幸せが、訪れますように。
あたしは下唇を前歯できゅっと噛みしめ、再度、宏子さんと親方に深々と一礼し、ソウルノートをあとにした。
天使の羽根みたいな雪。
そう言って、窓の外に視線を流してふふと嬉しそうに笑った。
「陽妃ちゃん、長かったねえ」
なぜなのかはわからない。
涙がこんこんと目の奥から奥からあふれてあふれて、宏子さんの優しい微笑みがじんわりと歪んだ。
鼻のいっちばん奥がつーんと沁みる。
「よく頑張りました。金メダルっしょ」
さぁ、行っといで、そう言って、あたしの背中を押した宏子さんの手はホッカイロのようにぬくぬくしていて、なんだか言葉にできないくらい胸がいっぱいになる。
あたしはごくりと涙を飲み込んで、小さくうなずいた。
「……ん、はい」
あたしは便箋を四つ折りにして、コートの右ポケットにしっかりとつっこんだ。
「宏子さん、親方……あのっ、行って来ます。ありがとう」
ふたりに一礼し背を向けると、宏子さんが「待って」と今一度マフラーを襟足のところでしっかりと結び直し、
「陽妃ちゃん」
そのひと言を、まるで宝物に触れるような優しい、でも、壊れ物に慎重に触れるような緊張しているような声で、大切そうに言った。
「カフー、アラシミソーリ」
幸せが、訪れますように。
あたしは下唇を前歯できゅっと噛みしめ、再度、宏子さんと親方に深々と一礼し、ソウルノートをあとにした。



