恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

「ええ……っと」


優しいひと、とか、かっこいいひと、だとか。


そんなふうにひと言で表現できたらいいんだろうけど。


そんなひと言ではうまく表現できなくて、できるはずもなくて、悩む。


「ううーん、そうだなあ……どんな、かあ」


「んだ。難しいことじゃねえべ。例えばだ、例えば」


例えば、か。


「ううーん」


どこを、彼のなにを、どう、例えたらいいんだろう。


例え方が、思い浮かばない。


「悩むなあー」


だって。


彼は、あたしのこの人生の中で特別で、あまりにも特別で。


ちょっと不思議な空気を身にまとっていたから。


首を右に左に傾げてウンウン悩んでいると、「したらちょっとなんか色に例えてみてよ」と提案して来たのは宏子さんだった。


「色?」


「んだ。さっき、あの子たち言ってたっしょ。アラシのメンバーにはイメージカラーがあるんだって」


「……なるほどねぇ」


と、白を基調とした清潔感あふれた店内を見渡しながら、妥当な色がないか探していると、再びそれが視界に飛び込んできた。


「これ……」


美波ちゃんからもらった封筒の端にそっと触れてみる。


例えるなら。


うん。


そうだ。


確かに、こんな感じの色。


でも、この水色とはまた少し違う、あの色。


「ああ」


そうだ。


そう。


「色に例えるなら」


顔を上げると、宏子さんもシゲさんもこくこく頷きながら、身を乗り出してあたしを見つめてきた。