「大丈夫ですか?」
「ああ、いつものことだ。慣れっこ慣れっこ」
とシゲさんは屈託なく笑うけど、やっぱり痛そうだ。
10年程前、屋根の雪下ろしをしていた時、屋根から転落してしまいその際に右足を複雑骨折してしまったらしい。
その後遺症で右足が不自由になってしまったそうだ。
「夏場はそうでもねえけどな。冬場はなんとしたって冷えるからなぁ。痛くてなあ」
右の膝小僧を擦りながら、ぽつりと、シゲさんが呟く。
「さぁ。もうじき降って来るべ……雪」
「もうじき?」
「んだ」
「えー、うそだぁ」
「ウソでねえ。本当だ」
「ええー。だって、今日、こんなに良いお天気ですよ」
ほら、と振り返って窓の外に視線を投げる。
「びっくりするくらいの、冬晴れですよ」
北海道の冬。
日没は早い。
16時を過ぎると薄暗くなってきて、あっという間に辺りは暗くなってしまう。
「雪どころか、雨だって降りそうにないのに」
今はまだ15時を過ぎたばかりで外は明るく、冬の薄い青空が広がっている。
「いや、降るべ。今日はいやに足が痛むからなあ」
右足が痛む時は決まって天気が崩れるらしい。
大雪の前は歩くこともできなくなることがある、とシゲさんは言った。
「今夜は積もるべ。明日の朝は真っ白だ」
「ええー、本当に?」
「ウソでねえ。年寄りのこういうカンは間違いねえ」
今夜は冷え込む。
暖かくして寝なさい。
そう言って、シゲさんはシフォンケーキを頬張った。
「お、こりゃうめぇ」
「本当。ふっかふか。宏子さん天才」
「だっしょ!」
宏子さん特製メープルシフォンケーキに舌鼓していると、唐突に、シゲさんが聞いて来た。
「お嬢さん」
「ああ、いつものことだ。慣れっこ慣れっこ」
とシゲさんは屈託なく笑うけど、やっぱり痛そうだ。
10年程前、屋根の雪下ろしをしていた時、屋根から転落してしまいその際に右足を複雑骨折してしまったらしい。
その後遺症で右足が不自由になってしまったそうだ。
「夏場はそうでもねえけどな。冬場はなんとしたって冷えるからなぁ。痛くてなあ」
右の膝小僧を擦りながら、ぽつりと、シゲさんが呟く。
「さぁ。もうじき降って来るべ……雪」
「もうじき?」
「んだ」
「えー、うそだぁ」
「ウソでねえ。本当だ」
「ええー。だって、今日、こんなに良いお天気ですよ」
ほら、と振り返って窓の外に視線を投げる。
「びっくりするくらいの、冬晴れですよ」
北海道の冬。
日没は早い。
16時を過ぎると薄暗くなってきて、あっという間に辺りは暗くなってしまう。
「雪どころか、雨だって降りそうにないのに」
今はまだ15時を過ぎたばかりで外は明るく、冬の薄い青空が広がっている。
「いや、降るべ。今日はいやに足が痛むからなあ」
右足が痛む時は決まって天気が崩れるらしい。
大雪の前は歩くこともできなくなることがある、とシゲさんは言った。
「今夜は積もるべ。明日の朝は真っ白だ」
「ええー、本当に?」
「ウソでねえ。年寄りのこういうカンは間違いねえ」
今夜は冷え込む。
暖かくして寝なさい。
そう言って、シゲさんはシフォンケーキを頬張った。
「お、こりゃうめぇ」
「本当。ふっかふか。宏子さん天才」
「だっしょ!」
宏子さん特製メープルシフォンケーキに舌鼓していると、唐突に、シゲさんが聞いて来た。
「お嬢さん」



