恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

その日の夜の便で新千歳空港に降りたあたしは、コンビニで切手を購入し、アパートへ戻った。


もう、23時をとうに過ぎていた。


ーー堀北さん。お願いがあるんです。聞いてくれますか?


そして、明かりをつけると、着替えもせずにペンを手に取った。


ーー僕に出来ることなら、なんでも協力するよ


ーー白いラベンダー畑の写真、譲ってもらえませんか?


ーーそんな写真持ってないけど


ーー潤一が撮った写真の中にあるはずなんです


ーー……ああ、もしかして、あの作業部屋に貼ってあったやつかな


ーー譲ってもらえませんか?


ーーいいけど……でも、なんであの写真なの?


ーー知ってます? 白いラベンダーの花言葉




〒902ー****

沖縄県那覇市○○○○1丁目 マンションレゼール 508

     比嘉 海斗 様




堀北さんから譲ってもらった写真の裏に、今の正直な気持ちを綴って、封筒に入れた。


白いラベンダー畑の写真。


たっぷりのりを塗りぴっちりと封をして、ほっと息を吐く。


時計を見ると、もうすぐ日付が変わろうとしていた。


立ち上がる。


どうせ、今日でも明日でも、結果は同じだと思う。


でも、今やらないと。


今、行動に映さないと、また10年前と同じことの繰り返しになってしまう気がした。


あたしは封筒を手に、部屋を出た。


階段を駆け降りてSOUL NOTE の前を通過した時、


「陽妃ちゃん」


声を掛けられて振り向くと宏子さんが店先に顔を出した。


「帰って来たと思ったら今度はどこさ行くの? こんな時間に」