恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

あたしは携帯で時刻を確かめて溜め息を落とした。


午前2時45分。


もうひとつ、溜め息。


呆れる。


久し振りのお酒で酔い潰れてしまうなんて。


「あの、宏子さん」


「あ、起きた。大丈夫?」


「はい。寝ちゃった……ごめんなさい」


お会計……、と肩をすくめると、宏子さんが「こっちさおいで」と手招きをした。


あたしは席を立って宏子さんの元へ行き、テーブルの上を覗き込んだ。


「タロット……占いしてたんですか?」


「んだ。まあ、座って」


言われたように宏子さんの正面に座る。


「暇だったから占ってたんだ。陽妃ちゃんの、未来」


「えっ」


ドキッとした。


緋衣ちゃんが言っていたことを思い出しオドオドすると、宏子さんは涼しげに笑った。


「苦手? 占い」


「いえ、そういうわけじゃないですけど」


「そんな重く取らないで。私、占い師じゃないし。ただの趣味でやってるだけだし」


「でも、良く当たるって」


あたしのひと言に、宏子さんは弾かれたように顔を上げ目を大きく見開いた。


「えー?」


「あっ、いや、職場の子が言ってて」


宏子さんは可笑しそうに笑った。


「占いの結果をどうとるかはその人次第だべ。それに、ユタのウシラシ? には敵わないべ」


あれっ……?


あたし、おばあのこともべらべらしゃべったんだろうか。


いまいち、記憶が定かではない。


あたしはおそるおそる聞いてみた。