恋蛍~君の見ている風景~【恋蛍 side story】

「須藤、これで分かっただろ」


残念だけど、と堀北さんがテレビのスイッチを切る。


再び、部屋に静寂が訪れた。


しばらくの間、あたしたちはひと言も会話せず、何かに耐えるように座ったまま動かなかった。


堀北さんも小春も、あたしも。


現実を受け入れることができなかったのだ。


何も考えたくなかった。


ただ、膝を抱き締めていた。


涙は出なかった。


どれくらいそうしていただろう。


「陽妃さん」


おもむろに動き始めたのは小春だった。


「これ……何ですか?」


ちらりと横目で確認すると、小春が指差していたのは、潤一に頼まれて買った写真雑誌だった。


「……潤一に頼まれて……買って来た」


「見てもいいですか」


「うん」


パラパラと音を立てて、小春がページを捲っていく。


何ページが捲って小春が「あ」と小さな声を漏らした。


「ねえ、堀北さん。これ見て」


「え? ……あ」


「陽妃さん、陽妃さん」


背後から肩を叩かれ放心状態のまま振り向くと、テーブルの上に写真雑誌を広げて、ふたりは微笑みながらそのページを見ていた。


「陽妃さんも見てください、これ」


と小春が言う。


続けて堀北さんも見るようにとすすめてきた。