…これは、誘拐じゃないよな。


このまま放置すれば確実に死ぬし、怪我の処置をするだけだ。


…大丈夫だ、大丈夫。



車を走らせ、近くのコンビニへ行く。適当に包帯や消毒薬、ガーゼなどを買い、家へ帰る。


家は、ごく普通のマンションの一階。

部屋の電気をつけ、ソファに寝かせる。

明るいところで見ると、さらに酷いな。取り敢えず、温めたタオルで身体を拭く。


その間、少女は傷が染みるのか眉間に皺を寄せたり、辛そうだった。


…流石に服は脱がせないな。


軽く捲りながら処置を施していく。


ある程度の手当が終わると、少女はすー、すー、と規則正しい呼吸をし、一安心する。



命は大丈夫そうだな。