はぁ……

俺注射打つの待ってる子供の気分

コンコンと生徒会室のドアをたたく

コンコンコンコンコンコンコンコン

返事がない

「せーいーとーかーいーちょーうー」

コンコンコンコン……ドンドン

出てきやしねぇ……

「……超ド級偉そうバ会長め」

「俺が何だって?」

「だから超ド級偉そうバ……」

え?

俺はキリキリと音が鳴りそうなほどぎこちない動作で後ろを見た。

「ぎゃ、ぎゃーーーー」

「何だぁ? バケモンでも見たような顔して」

パクパクと金魚のように口を動かす

「か、会…ちょ……サマ
聞いてッ……」

ジャストタイムすぎるだろ……

俺んこと見てたんじゃね?

「聞いてねぇからもう一度言えよ」

「う……」

嘘つけ!

絶対聞いてた

ぜえっったい聞いてたよね!

「言えよ」

ニヤニヤ笑いながら言われたら余計言いたくなくなるわい!

この大バ会長!

「会長サマには関係ないことなんで言・い・た・く・あ・り・ま・せ・ん」

「俺には『超ド級偉そうバ会長』と聞こえたけどなァ
野田 光也クン?」

やっぱり聞いてたんじゃねぇか……

白々しくクンづけで呼びやがって

「気のせいじゃないッスか?」

「そうかァ?」

「そ・う・で・す」

俺は大バ会長にクルリと背を向け歩き出そうとした……

……ところで呼び止められた。

「俺に用があったんじゃねぇのか?」

あ……

立ち止まる俺

「お前頭大丈夫か?」

あんたのせいじゃあんたの!

あんたにムカつきすぎて忘れたんじゃ!

「……大丈夫ですよ」

「へぇ」

ンベ~

心の中で大バ会長にあっかんべぇをしてから

「……お願いがあるんですけど」

と、話を切り出した。

キレなかった俺、偉い

すっっっっっごぉく偉い

まあ、心のためだと思えば我慢出来ないことじゃないし

俺の精神力を褒めたのは、付属品みたいなもんなんだけど

気分が上がるからね。

俺偉いなぁ